俳優・萩原健一、希少がんを隠しながらも「がんで死ぬ役」演じ抜いた ドクター和のニ


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俳優・萩原健一、希少がんを隠しながらも「がんで死ぬ役」演じ抜いた ドクター和のニッポン臨終図巻

4/10(水) 16:56配信

夕刊フジ

【ドクター和のニッポン臨終図巻】

 普段ほとんどTVドラマを見ないのですが、昨年放送された『不惑のスクラム』(NHK)という作品は思わず見入ってしまいました。主演は高橋克典さんでした。誤って人を殺し、刑務所へ入っていた男の役です。出所したものの、すべてに絶望した男が、同じく居場所がなく、人生に傷ついた中年男たちとともにラグビーチームを結成するという男の再生物語でした。

 このとき、ラグビーチームの創設者で、主人公の人生を支えながらも、ステージ4のがん闘病中でドラマの途中で亡くなる役を演じたのが、ショーケンこと、萩原健一さんでした。ドラマの制作発表会見で、このように話していました。

 「私は末期のがん患者の役なんです。(中略)生き抜こうとしている役柄ですが、途中で死にます。でも非常に面白い役なので、ひとつ見て楽しんでいただければありがたいと思います」

 まさか、このとき、本当に重篤ながんと向き合っていたとは…。このドラマの撮影のときも、一部の関係者以外はその事実を知らなかったそうです。役作りのためにラグビーのパス練習なども行っていたとか。この作品の表情が実に良かった。こんなに優しい笑顔をする俳優だったっけ、と意外に思えたほどでした。

 年齢を重ねる大きな美点は、人に優しくなれることだと思います。川を転がり続ける石のように、次第に角が取れて丸くなっていく…。ショーケンの「円熟期」。もっともっと見ていたかったのですが、3月26日、都内の病院で亡くなりました。68歳でした。

 死因のGIST(消化管間質腫瘍)という病名を、今回初めて知った人も多いでしょう。年間10万人あたり罹患(りかん)率は1~2人、「希少がん」として扱われます。消化管にできる腫瘍といえば、胃がんや食道がん、大腸がんをイメージしますよね。それらは粘膜の表面(上皮)から発生しますが、GISTは消化管の壁の中(筋層)に発生します。進行とともに吐き気や腹痛、下血や吐血などの症状が出ますが、特有の症状はなく、早期発見しにくい病気です。

 ショーケンにGISTが見つかったのは、2011年。彼は公表をせぬまま仕事を続けました。8年も病気を隠しながら仕事ができたのは、おそらく分子標的薬治療をされていて、その効果があったのだと想像します。

 自らのがんを隠しながら、がんで死ぬ役を楽しみながら演じるなんて。思えば彼は、「ショーケン」という、強がりでやんちゃな男の役を演じ続けた一生だったのではないでしょうか。派手に生きた彼の遺言は、「(葬式等)派手なことをやるな」だったとか。最期までカッコよすぎです。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。近著「薬のやめどき」「痛くない死に方」はいずれもベストセラー。関西国際大学客員教授。

引用:俳優・萩原健一、希少がんを隠しながらも「がんで死ぬ役」演じ抜いた ドクター和のニッポン臨終図巻

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