著者
竹村俊助(たけむら しゅんすけ)
編集者、株式会社WORDS代表取締役
1980年岐阜県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本実業出版社に入社。書店営業とPRを経験した後、中経出版で編集者としてのキャリアをスタート。その後、星海社、ダイヤモンド社を経て、2019年に株式会社WORDS代表取締役に就任。SNS時代の「伝わる文章」を探求している。
主な編集・ライティング担当作は『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(水野学)、『ぼくらの仮説が世界をつくる』(佐渡島庸平、以上ダイヤモンド社)、『メモの魔力』(前田裕二)、『実験思考』(光本勇介、以上幻冬舎)など。手掛けた書籍は累計100万部以上。オンラインメディア「note」に投稿した「WORDSの文章教室」は累計150万PVを超える。
本書の要点
- 要点1:人は日常的に書いているのに、書くということが目的になると途端に書けなくなってしまう。大事なのは「書こう」とするのではなく「伝えよう」とする意識だ。
- 要点2:文章は基本的に読まれないものだ。読んでもらうためには、読むことで得られることを明確に定義し、読者に読む動機を与えなければならない。
- 要点3:初対面でのコミュニケーションがリアルから文章に移行しているいま、書くことができる人は有利になる。書くための技術を身につけて、読む側から発信する側になろう。
本書の要約
どうして書くのはしんどいのか
「書く」のではなく「伝える」
LINEやツイート、メールなど、誰でも毎日何かしら「書いて」はいる。
しかし、改めて「文章を書こう」「発信しよう」と思うと、とたんに手が止まってしまうことはないだろうか。
多くの人が「文章が書けない」と言うとき、足りないのはスキルだと思いがちだが、文章が書けない原因の多くはじつは「メンタル」にある。
多くの人は「自分の中から」文章を生み出そうとするが、この「生み出そう」というメンタルがそもそも間違っている。
一部の才能ある作家は別として、普通の人の中には何もない。
書くこと自体が目的になると、書こうとすればするほど書けなくなる。
大切なのは、「書こう」とすることではなく「伝えよう」とすることだ。
メールもLINEも、誰かに何かを伝えようとするから自然と「書ける」のである。
「文章をゼロから生み出す」のは難しくても、他人の文章を見て「ここ、『てにをは』が間違ってるよ」と指摘できるように、「すでにある文章を修正する」ことは容易だ。
これを一人でできるようになり、著者と編集者の一人二役をやればいい。
まずは「著者」として、下手でもいいから、伝えたいことをとにかく書きなぐる。
そのあとに「編集者」の立場から、冷静になって文章を見直し、整えていく。
こうすることで、ある程度の質の文章を一人で作成することができるようになる。
書けないと思っている人は、「書こう」とするのではなく、「伝えよう」という意識に変えることからスタートしよう。
そして、「ゼロから生み出そう」とするのではなく「まず書いてみて、それを修正して文章を仕上げていく」と考えるだけで、書くことはずいぶんラクになるはずだ。
「取材」マインドでネタ探しをする
「書くことがない」と悩む人は、「自分のこと」を書こうとしているという共通点がある。
書けないときに見つめるべきなのは自分の内側ではなく外側だ。
自分の中に「何か」がなくても、他人のことやまわりのことについて発信することはできる。
自らが「コンテンツメーカー」になろうとするのではなく、「メディア」として、「作家マインド」から「編集者マインド」に切り替えてみよう。
編集者に必要なのは「誰かに伝えたい」という思いだけだ。
人はみな自分の人生の「編集長」なのだから、自分が見つけたおもしろいことを自分のフィルターを通して伝えていってみよう。
本の要約サイトフライヤーから引用
https://www.flierinc.com/