日本赤十字社は2020年4月21日、「ウイルスの次にやってくるもの」と題した動画を公開した。
【動画】日本赤十字社が制作した「ウイルスの次にやってくるもの」
新型コロナウイルスの感染拡大で起きる”真の恐怖”をアニメーションで伝え、視聴者からは「人の弱いところを気づかせてくれる」「今、必要なメッセージ」などと共感を集めている。
■ウイルスのように伝染
3分ほどの動画では、ウイルス以上に怖い存在があるかもしれない、とほのめかすシーンから始まる。
登場人物の男性に黒い影がつきまとい、「そいつはお腹を空かせているみたいで、暗いニュースや間違った情報をたくさん食べて」どんどん大きくなっていく。
そして”そいつ”はささやくーー。「『もうみんな助からない』と」「誰にもまだわからないことを『誰かが隠しているのだ』と」。悲観論や陰謀論が飛び交う今の世相を反映した描写だ。
“そいつ”はウイルスのように伝染し、「ウイルスが広まったのはあいつのせいだ!」「世界がこうなったのはあいつのせいだ!」と分断を引き起こす。
さらには、脅してくることも。「もしも感染していたらどうする?」「あんな風に言われたらどうする?」。その結果、体調が悪くても隠してしまい、誰がコロナウイルスに感染したか分からなくなってしまう。
すくすくと育ち、人格を持った”そいつ”は最後、人間を飲み込んで”モンスター”に変貌する。そいつの正体は「恐怖」だった。
動画の後半は、恐怖に飲み込まれないためのアドバイスを送る。
「ときにはパソコンやスマホを消して、暗いニュースばかりをみるのはやめよう」「不確かな情報をうのみにしないで立ち止まって考えよう」「恐怖が苦手なものは、笑顔と日常だ。家族や友人と電話して、笑おう。いつのもように、きちんと食べて、眠ろう」
とすぐに実践できる内容や、
「避難や差別の根っこに、自分の過剰な防衛本能があることに気づこう。冷静に、客観的に、恐怖を知り、見つめれば、恐怖は薄れていくはずだ」
と恐怖に立ち向かうための心構えを紹介。最後は、
「恐怖は、誰の心の中にもいる。だから励ましあおう。応援しあおう。人は団結すれば、恐怖よりも強く、賢い。恐怖に振り回されずに、正しく知り、正しく恐れて、今日、わたしたちにできることをそれぞれの場所で」
と前向きなメッセージで締めくくる。