日本酒はカジュアルに楽しめないと飲み手がいなくなる?擬人化ゲームアプリ『萌酒ボッ

 

日本酒はカジュアルに楽しめないと飲み手がいなくなる?

擬人化ゲームアプリ『萌酒ボックス』を遊んで感じたこと

5/5(火) 18:00配信

インサイド

2019年11月18日配信開始したゲームアプリ『萌酒ボックス』は、全国に実際にあるお酒の擬人化キャラクターが登場する酒造りシミュレーション&タワーディフェンスゲームです。

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本作のコンセプトは、「お酒は好きだけどゲームを遊ばない人、ゲームは遊ぶけどお酒は良く分からないという人に、ゲームを介してお酒への興味を持ってもらう」というもの。日本酒は酒蔵が年々減り続けており、日本酒を飲む若い世代が減っていることが大きな問題としてあります。

国酒とも言われる日本酒は2,000年以上の歴史を持つことから、“オヤジの酒”というイメージを持つ人がいたり、年長者に勧められる飲み方の作法がとっつきにくかったりします。そんな問題を抱えた日本酒ですが、萌え絵やゲームといった要素を取り入れた『萌酒ボックス』によって、若い世代にもカジュアルに楽しんでもらえる存在になるのでしょうか。

■『萌酒ボックス』を遊んでみた
<ストーリー>
ここは「人」と酒の精霊「酒霊」が暮らす世界。この世界は、いつからか、突如出現した「ケガレ」と呼ばれる魔物の脅威に悩まされていた。

ある日、人々の中に「酒」から「酒守」を召喚する不思議な力を持った者が現れ、その者は「カンナギ」と呼ばれた。

「酒守」とは「ケガレ」から人と酒霊を守る盾であり、「ケガレ」を払う剣である。

この物語は、アナタが1つの村の「カンナギ」として選ばれた所からはじまる。人と酒そして酒霊と酒守との絆の物語だ。

本作は全国各地50以上の酒蔵から協力を受けており、今後も協力してくれる酒蔵を増やしていく予定。「お米」「種麹」「水」という素材を集めて「お酒を造る」という新感覚の遊びを楽しみながら、日本酒に関する知識を身につけることができます。

また、「萌酒オンラインショップ」では、本作に登場する日本酒の擬人化キャラクターのグッズ、実在の日本酒が購入できます。

・バトル

プレイヤーはお酒から“酒守”を召喚する力を持つ「カンナギ」として、「ケガレ」と呼ばれる魔物から人々を守るために全国を巡っていきます。日本酒の名産地エリアごとに用意されたステージをクリアすることでゲームを進めます。

バトルでは最大18体までの酒守を編成でき、筆頭(リーダー)の酒守が戦闘不能になる前に、全ての敵を殲滅することが勝利条件。配置後は酒守がオートで戦ってくれますが、酒守をフィールドのどこに配置するか、酒守ごとの固有スキルをどう活かすか、戦況をひっくり返す強力な効果を持った「神器」をいつ発動させるか、戦略を練る必要があります。

とはいえ、バトル全体の倍速&オート機能がもあり、ステージの推奨戦闘力以上あれば放置でもサクサクと遊べました。

・ガチャ

新しい酒守を引き当てるためのガチャは、バトル報酬などで入手した素材で造ったお酒を奉納することで回せます。

「酒造所」では、「米」「種麹」「水」の3つの素材に、「精米歩合」や「搾りたて」、「7号酵母」といった製法を掛け合わせることでお酒を造ることができます。レアリティの高い素材や製法であるほど、貴重なお酒ができる確率もアップします。

しかし、日本酒は地域の特性を活かして造られているので、製法を理解しない組み合わせ(例えば「生搾り」と「火入れ」)は、あまり良い結果にならない気がしました。逆に言えば、お酒の知識を活かすことができそうです。

奉納したお酒と同レアリティーのガチャを回せることが、多くのゲームアプリで見られるガチャと違う点ですね。酒造りの要素を大事にしているのが伺えました。

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■萌え絵は日本酒と相性良い?
これまでも、萌え絵に合わせて造られた日本酒やラベルだけを萌え絵に変えた日本酒はありました。

例えば、静岡県静岡市にある「鈴木酒店」は、アニメやゲームが大好きな店主・鈴木誠さんが一部の地酒に自作萌え絵ラベルを貼って販売しています。また、埼玉県ではアニメや漫画の舞台になった地への聖地巡礼を観光誘致として打ち出しており、版権作品のラベルに貼り替えて販売する酒蔵もあります。

萌え絵がライト層を取り込む試みであるのは間違いありません。作品のファンである観光客にも手にとってもらいやすくなった点は、カジュアル化の成功と言えるでしょう。

■日本酒のカジュアル飲みはいかがなもの?
日本酒は日本人に親しまれてきましたが、近代になって日本に入ってきたワインやビール、シャンパンなどが若い世代に歓迎されているのが現状です。

日本酒は昔の味から変わらないというイメージが持たれています。しかし、日本酒は世界で最も複雑な製造工程で造られており、若い世代の味覚に合うトレンドを取り入れつつ、進化を続けているのです。「獺祭」や「新政」などは日本酒を飲まない人でも聞いたことがあるかもしれません。フランスやアメリカなど海外でも日本酒の評価は年々高まっているのです。

茶叶小果(Twitter:@chaye_cosplay)/撮影:乃木章
「現代の日本酒の味わい」を知ってもらうには、若い世代に気軽に日本酒を手に取ってもらう必要があります。しかし、実際には年長者に日本酒を教えてもらう場合、ウンチクや飲み方のルールを押し付けられることは少なくありません。年長者が良しとする飲み方を否定するつもりはありませんが、若者に合ったカジュアルな飲み方はダメなのでしょうか?

「酒専門店 キングショップ誠屋」
埼玉県鶴ヶ島市で40年以上酒屋を営む「酒専門店 キングショップ誠屋」店主・眞仁田清さんは、「お酒を飲む時は気心しれた仲間内で飲むのが一番楽しいように、同じ価値観を共有した人同士で好きに飲んで良いと思います」と語りました。

悪酔いなど周りに迷惑をかけないようにさえすれば、日本酒の飲み方に制限はないのです。飲む時は着物やスーツでなければいけないとか、このお酒はこのグラスや温度帯で飲むとか、気にせずに楽しんで飲みましょう。それこそ、ロリータ服を着て酒屋に入り、日本酒を試飲しても誰かに咎められるいわれはないのです。

茶叶小果(Twitter:@chaye_cosplay)/撮影:乃木章
■日本酒ゲームの懸念と可能性
日本酒は歴史が長いだけに擬人化や物語作りと相性が良い反面、問題になるのは「味」です。現在全国には約1,400の酒蔵があり、約2万種類以上の日本酒があります。一つとして同じ味わいがないのできっと好みの銘柄に出会えるでしょう。

『萌酒ボックス』では酒蔵や地域の特性を汲み取って、キャラクターがデザインされています。本作の人気が高まり、酒蔵を招待したリアルイベントが開催される形が一つの理想形ですね。

『萌酒ボックス』は、基本プレイ無料のアイテム課金制で配信中です。

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インサイド 乃木章

引用:日本酒はカジュアルに楽しめないと飲み手がいなくなる?擬人化ゲームアプリ『萌酒ボックス』を遊んで感じたこと