手のひらサイズの4×4! 「京商ミニッツ4×4」を思う存分走らせる!

手のひらサイズの4×4! 「京商ミニッツ4×4」を思う存分走らせる!


 

手のひらサイズの4×4!

「京商ミニッツ4×4」を思う存分走らせる!

4/16(木) 0:00配信

Impress Watch

 京商は、RCカー「京商ミニッツ4×4 レディセットトヨタ 4ランナー(ハイラックスサーフ)」と、「京商ミニッツ4×4 レディセットスズキ ジムニーシエラ」3月28日に発売した。価格は各25,000円(税別)。「トヨタ4ランナー」はメタリックレッドとダークグレーメタリック、同時に「ジムニーシエラ」はキネティックイエローとジャングルグリーンのカラーバリエーションがある。

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「レディセット」とは送信機(プロポ)が1パッケージとなっていることを指す。本格的なRCカーは部品を組み立て、送信機と電波によって動かすサーボ(コントロール装置。RCカーの場合はアクセルとステアリング用に2つ使う)が別売だったりするが、本商品は組み立て済みで、”Ready(レディ)”の名前の通り、購入してすぐに走りが楽しめるのだ。

【KYOSHO MINI-Z 4×4 Readyset Toyota 4Runner (Hilux Surf)】

「京商ミニッツ4×4」の車体は全長19.3cmという手に乗るような小ささで、パワフルな走りが楽しめる。ミニカーのような見た目に反して、本格的なRCカーならではの迫力ある挙動と、細かなコントロールが楽しめる。何よりタイヤを大きく動かし、不整地な地形を走破するその迫力が良いのだ。

今回は神奈川県厚木にある京商本社に行き、本製品の説明を聞きながらたっぷり楽しんできた。この商品の魅力を語っていきたい。

ちなみに「京商ミニッツ4×4」はコロナの影響もあり現在ファストロットは完売、セカンドロットの販売をを5月上旬に予定している。ゴールデンウィーク頃には全国の模型店、ネットショップ、家電量販店などで購入できるようになる予定だ。現在、一部のネット販売などでは高価な値段がつけられているが、セカンドロットの販売情報で予約を受け付けるネットショップもきちんとあるので、欲しい、と思った人は値段をきちんと見て注文して欲しい。

■小さな車体が生み出す迫力ある走り!

まずはこの動画を見てほしい。

【道なき道をぐんぐん進む! 「京商ミニッツ4×4」】

「今のラジコンはすごい!」と素直にびっくりするだろう。筆者も実際そうだった。実は「ラジコン」というのは「増田屋コーポレーション」が1955年に世界初の無線操縦玩具「ラジコンバス」を発売してからの登録商標であり、「RCカー(ラジオ・コントロール・カー)と呼ぶのが一般名称だ。

昨今は「ミニ四駆は触ったことがある」という人は多くても、RCカーは触っていない、という人も多いかも知れない。実は30年以上前「RCカーブーム」が来た。そのとき高校生で、田舎の模型店のアルバイトをしていた筆者は、数え切れない電動バギーの組み立てや修理を請け負った。

その当時、持ち込まれると緊張したのが、1963年創業のラジオ・コントロールの老舗・「京商」というメーカーの、チェーン駆動による四輪駆動を採用していた電動RCカー「オプティマ」。

今と違ってネットも無く、田舎の事とて知識のある先輩も居ない、説明書と雑誌の情報だけを頼りにしていたので、組み立ても調整も、とにかく苦労した記憶しかない。

あれから30数年、すっかりRCカーから遠ざかっていた筆者がまさか「京商」の製品をレポートする事になろうとは……と思うと感慨深い。同時に、「初心者を寄せ付けない、肩で風を切る硬派のイメージ」だったあの京商に取材に行くと聞いて、内心緊張していたのだった。

だから、恐る恐る到着した厚木の「京商」本社で、「ミニッツ4×4」の 「トヨタ4ランナー(ハイラックスサーフ)」「スズキジムニーシエラ」と対面した時に、まずその可愛いサイズに驚かされた。

筆者が高校生の時に組み立てていたのは本体と送信機で5万円以上する本格的な「ホビーRC」である。オモチャ屋で組み立て済みで販売している安価な「トイRC」とは全く違う。ダンパーや、実車と同じ「ディファレンシャル・ギア(内輪と外輪で駆動に差をつけコーナーリングを有利にする機構)」など、複雑なメカニズムを搭載しており、それは実車を小さくしたような機械だった。スピードも、走っている光景すら全く違った。

しかし今回始めてみた「京商 ミニッツ4×4」は、ホビーRCの風格、もっと突き詰めれば実車さながらのリアルで複雑なメカニクスを感じさせる走りを見せつけてくれたのだ。

そんな筆者と、編集の勝田氏を迎えてくれたのは京商のグローバルマーケティンググループの矢嶋孝之マネージャー。今回、「京商 ミニッツ4×4」についてたっぷり話を聞きながら、その走りを堪能させていただいた。

矢嶋マネージャーの手解きで本体を上向きにして乗せ、完成品のR/Cとしては珍しい本格的なガン型プロポ(コントロールする送信機)での前後左右ブレーキの簡単な操作を教わると、床に敷設されたボール紙製の地形「スタッカブルテレイン」に向けてスロットルを開ける。

この「スタッカブルテレイン」は厚手のボール紙に凸凹を立体的に印刷しており、敷き詰めたり、重ねることで地形を作り上げる。この地形の上をグイグイ進むのが「京商 ミニッツ4×4」の楽しさだ。その走りが冒頭に紹介した動画である。

【KYOSHO MINIZ 4X4 STACKABLE TERRAIN (5pcs)】

かつての模型少年だった筆者にはグッとくるパワーワード、「専用130モーター」ならではのトルクのある走りで、ぐんぐん坂を昇り、一旦つかえても、リニアに反応するステアリングで切り返すとぐいぐい乗り越えていく。

筆者は、実を言えばプロポを触るのは四半世紀振りだ。にも関わらず、悩みながらも凸凹の悪路を走破できてしまう。とにかくこの製品は「面白い」この一言につきる。この走りの楽しさは、「京商 ミニッツ4×4」だからこそだ。onとoffの単純なラジコン操作ではなく、繊細なアクセルワーク、きめ細やかなステアリングで、バランスを取り、ハイパワーで駆け上がるだけでなく、ブレーキを利かせて坂を下りることも可能としている。

詳しくは後述するが、「本格ホビーラジコン」としての京商の技術が、間口が広くかつ奥深い本商品ならではの走りを可能としているのである。

そんな感じで矢嶋マネージャー、勝田氏とわいわい言いながら、一通り室内でコースを楽しんだあとは、当然の如くといった感じで近くの公園へ持ち出してみた。

時節柄、人が少ない事もあったが、大型のホビーR/Cと違って仮にスロットル全開でも人に接触する危険は少なく、また、万が一ぶつかってしまっても怪我をさせる様な事が無いという安心感は大きい(無論、人が居る所へワザと走らせるのは御法度だが)。

ちょっとした草むらや、石垣、凸凹した地面。大型のR/Cならパワーでバンバン飛び越えるところだが、そこを本製品ならではのアクセルワークとステアリング捌きでグイグイ走破する悦びは格別。

【オフロードを進む「京商ミニッツ4×4」! 車輪の挙動の楽しさ】

よく「童心に返って」という形容詞があるが、大の大人3人が、まさしく少年3人組として走らせる事が出来た。

【「京商ミニッツ4×4」、障害物だらけのフィールドを疾走!】

振り返れば筆者が未だ小学生だった1978年。スーパーカーブームの後、ホビーラジオコントロールバギー黎明期に、ちょっとしたトイラジバギーブームがあった。当時、相当高価なトイラジのバギーを買ってもらった筆者はそれこそ天にも昇る気持ちだった。田舎の事とて、まだ珍しかったニッカド電池を取り寄せてもらうのにえらく時間がかかったのを憶えている。

そのトイラジはツインモーターを搭載した、少年垂涎の製品だったが、家の周りをちょっと走らせるとあっという間に電池切れ。結局ろくに遊べないうちに故障してしまい、走らなくなって哀しかったのを憶えている。

しかし本製品は、なんと単4電池4本で60分遊べる驚異のスタミナを誇る。もう、今の少年達はあんな哀しい思いをする事は無いのだ……と思うと羨ましい限りだ。

「技術の進歩が必ず人間を幸福にするか?」というのは、いつの時代の人間にとっても大命題だが、少なくともR/Cカーに関して、この進歩は絶対に正しいと言える。

「遊びを真面目に」が京商の社是との事だが、正しく製品に反映されていると思う。

■モデラーもうならせる造形と、ラジコンファンが楽しめるカスタマイズ性

さて、「走らせる面白さ」をお伝えしたところで、いよいよその感動がどういったメソッドで産み出されているかを見ていきたいと思う。

まずパッと見た目で驚かされるのが、そのボディの再現度である。ホビーR/Cは、通常「ポリカーボネート」と呼ばれる、耐久力は強いが凹凸の少ない透明の樹脂で成形されている。

この素材は非常に丈夫でしなやか、破損しにくい特徴があり、高速でぶつかったり横転したりするR/Cカーのボディには欠かせない。反面、細かなディティールのモールドには限界があり、自動車らしさを表す為に部分的にプラパーツを用いたりシールで再現したりする事で対応する。

しかし本製品はABSという、細かなモールドを表現しながらもしなやかで割れにくい、プラスティックに近い樹脂で成形されている。その結果、実車をスケールダウンしたボディを再現している。1/24スケールのプラモデルのボディそのものであると言っていい。

そして特筆すべきは、そのディティールを、さらに素材によって塗り分け、エンブレムも微細に再現していることだ。

パッと見ても素晴らしいが、凝視するとその細かさにため息が洩れるだろう。

先程、プラモデルそのものと言ったが、1/24スケールの自動車のボディで、このレベルの塗装を個人で行なうにはかなりの年月の修練が必要だと断言できる。京商の生産ラインにおける塗装は、まさに職人技で施されていると言っても過言では無い。

無論、単に走らせる事が目的であればここまで凝る必要はないとも言えるが、ディスプレイするだけでも惚れ惚れするボディが、なおかつ走るという感動を味わって貰うという心粋を感じさせる。

また、カラーリングのバリエーションに加え、市販のプラカラーで塗装可能な白ボディも別売されるのも嬉しい配慮。

GAME Watch読者ならば、近未来の武装集団よろしくミリタリーテイストにウエザリングして「ヒャッハー」な感じを出したり、好きなキャラクターを描いて「痛車」をリーズナブルに手にしたりと楽しみたいところだろう。

そして外観の素晴らしさは、ボディだけではない。車と言えば、やはり重要なのはタイヤ。車体同様、メーカーに許可をとってパターンやロゴに到るまで再現しているのは当然としても、ゴム製の中空成形でありながら車重を受け止め、それでいて押すと凹む弾力性を持ってキチンとグリップするのがスゴい。また、タイヤとボディとの間のクリアランスも、実車を意識しながら、若干浮かせた車体に対しての見映えと走行性能が計算し尽くされている。

ディフォルメまではいかない、コミカル一歩手前のカッコよさがあるのだ。

そんなボディを外すと、スチール製のラダーフレームに各種樹脂製パーツを組み合わせて硬性を確保したシャシーが現われる。

ミニッツならではのコンパクトにまとめられた電装系のメカも見物で、特にミニッツの特徴である、このコンパクトサイズで実現したリニアに切れるステアリングサーボは注目点。トイラジにありがちな、ジャッ……ジャッ……という大ざっぱな挙動とは一線を画し、ステアリングを切った分だけ曲がる、という操作性を実現している。

そして最注目はやはり、本製品ならではの走行を可能にする駆動系。ダンパー(懸架装置)は、完成R/Cとは思えないロングストロークに対応した新設計ショックアブソーバーを組み入れている。そしてラダーフレームに吊り下がったリンク式の前後ソリッドアクセルサスペンション(車軸懸架)は、左右の内輪差を解消する為のデファレンシャルギアを廃し、リジッド式にする事で、フルタイムで4輪を駆動させている。これにより、凹凸で車輪が浮いた状態でもタイヤが回転し続け、走破性が向上している。

さらにメインギヤユニットには、過剰な負荷がかかった際にトルクを逃がして駆動系を保護するスリッパークラッチも用意されている。

これらの組み合わせが、最初にネーミング案にあった「クローラー(無限軌道)」と見紛う走りを実現させているのだ。

また、付属の6つのピニオンギアで調整無しでハイスピードから超ローギアなどに走りを変更できるのも嬉しい配慮と言えよう。さらに「ジムニーシエラ」にある様に、ヘッドライトやブレーキランプ(ブレーキと連動する!!)など、拡張性も魅力。

ボディに留まらず、全パーツが別売り対応なメンテナンス製と合わせ、初心者にも始めやすく、それでいて突き詰めようとすれば奥深い製品でもあるのだ。

「MINI-Z」シリーズ20周年モデルの名を冠し、次の20年の幕開けに相応しい意欲作だと言える。

「かけがえのない人生を、ホビーを通じてイノベイティブに癒やす」
その為に、「楽しさの原点を届けたい」。

そんな京商のスピリッツを味わいながら、童心に返ってみてはいかがだろう。

GAME Watch,こもとめいこ♂

引用:手のひらサイズの4×4! 「京商ミニッツ4×4」を思う存分走らせる!