海外の作文で世界の課題学ぶ 大阪の出前授業


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海外の作文で世界の課題学ぶ 大阪の出前授業

6/9(日) 11:00配信

産経新聞

 東京五輪や大阪・関西万博など世界的なイベントの開催を前に、子供たちに世界への関心を持ってもらおうと、大阪市のNPO法人が海外の作文を使った出前授業を始めた。作文は途上国に住む同じ年ごろの子供たちが将来の夢や悩みをつづっており、授業を通じて貧困や衛生などの課題について学んでもらう。各地の小学校で授業を展開する予定で、関係者は「子供たちの思いやりの心を育みたい」と意気込んでいる。(江森梓)

 「大きくなったら、貧しい子供が無料で通える学校を作りたい」。4月中旬、大阪市立十三小学校(淀川区)の5年生の教室で、講師の女性がインドに住む12歳の女の子、ウリティシャさんの作文を読み上げた。

 将来は宇宙飛行士になりたいこと、苦しい家計のなかで両親に学校へ行かせてもらったが、周囲には親がおらず学校にも行けない子供がたくさんいること-。同小の子供たちは真剣な様子で聞き入っていた。

 授業終了後、中島悠人君(10)は「ウリティシャさんの先生や両親に対する感謝の気持ちが印象に残った」。辻本真(まさ)輝(き)君(10)は「大きくなったら、インドの貧しい子供たちに学校の授業を受けさせてあげたい」と話した。

 出前授業を始めたのは、NPO法人「みらくる」(大阪市鶴見区)の吉村大作理事長(39)。「社会貢献活動を行う人には、必ず原体験がある。子供にとって、そうした原体験のきっかけになるものを作りたかった」と語る。

 吉村さんの原体験は、平成7年の阪神大震災の際、お年玉を全部使ってカイロを購入し、被災地へ送ったことだ。「やるべきことはやった。でも、もっと人の役に立てるんじゃないか」。以来、東日本大震災の被災地支援や乳がん検診の受診呼びかけなど、さまざまな活動に関わってきた。

 一人でできることは限界がある一方、世界がより身近になる中で社会貢献の需要は以前より高まっている。次世代を担う子供たちに社会貢献の精神を引き継げないかと模索した結果、思いついたのが出前授業だった。

 海外で活動しているNPO法人に片っ端から連絡を取り、海外の子供たちに作文を書いてもらうよう頼んだ。現在、インドのほか、カンボジアやケニアなど8カ国から作文が集まり、東京都や北海道などの小学校でも授業を行う予定だ。

 吉村さんは「授業を通じて他の国のことでも、自分のことのように考えられる人材が育ってほしい」と話している。

引用:海外の作文で世界の課題学ぶ 大阪の出前授業

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