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大和ハウス工業が建築した2千棟を超える建物で建築基準の不適合が明らかになった問題は、消費者の住宅に対する不信を拡大しそうだ。賃貸アパート大手、レオパレス21の施工不良問題に続く不正で、住宅業界は企業統治や順法精神を厳しく問われている。(藤谷茂樹)
■「情報共有不足」
大和ハウスの12日の発表によると、同社が手がけた30都府県の賃貸アパートと戸建て住宅2066棟で、事前に国から認定を受けた部材や方法を使わず、建築基準法などに違反する恐れがあった。このうち関東6都県で平成13年1月~22年6月に建築したアパート200棟では、外廊下を支える柱に不適合の部材が使用され、うち188棟で必要な建築確認が行われなかった。また、12年10月~25年2月に29都府県で販売した戸建て住宅、アパート計1878棟の基礎工事で不適合の工法を採用していた。
大和ハウスは12日、大阪市内で記者会見し、有吉善則常務執行役員は「現場の設計と商品開発担当の情報共有不足がこういう事態を招いた」とくちびるを噛んだ。
■誤った部材、7年以上
同社は平成12年6月から「型式適合認定制度」を活用し、建築手続きを合理化していた。工場で製造する部材などが、事前に国から建築基準を満たしていると認定を受ける制度で、建築確認時の審査が簡略化され、工期を短縮できる。
ただ、制度や社内の仕様について、商品開発担当と建築現場で認識のずれが放置され、問題が拡大した。
今回、アパートの柱に認定部材でないL字型柱が使用された200棟は関東地方に集中した。大和ハウスはかつてL字型柱の認定取得を検討していたものの、結局採用しなかった。しかし商品開発担当が現場に十分伝えていなかったため、7年以上にわたって誤った部材が使われ続けた。
基礎工事の不適合も同様の構造で発生したという。
■不適合は4度目
大和ハウスが国に認定された仕様を満たさなかったのは4度目だ。26年12月と27年10月には防火シャッターや防火ドアの取り付けで、28年には壁パネルの遮音性や防火性の仕様で不適合だった。
さらに、今年3月には中国の関連会社で資金の不正流用が判明している。会見に臨んだ土田和人専務執行役員は「お客さまが安心できる建物を供給することが私たちの理念」と強調したが、不祥事が相次ぐ中、信頼回復の道のりは険しい。
引用:レオパレスに続き大和ハウスも…問われる住宅業界の順法精神
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