著者

 

中野善壽(なかの よしひさ)

 

東方文化支援財団代表理事 元寺田倉庫代表取締役社長兼CEO。

 

 

1944年生まれ。幼少期、祖父母の元で「全ては自己責任」という考え方を厳しく叩き込まれ、その意識は人一倍強く持っていると自負する。好きな言葉は「因果応報」。
その後、弘前高校、千葉商科大学卒業後、伊勢丹に入社。子会社のマミーナにて社会人としてのスタートを切る。1973年、鈴屋に転職、海外事業にも深く携わる。1991年、退社後すぐに台湾に渡る。台湾では、力覇集団百貨店部門代表、遠東集団董事長特別顧問及び亜東百貨COOを歴任。
2010年、寺田倉庫に入社。2011年、代表取締役社長兼CEOとなり、2013年から寺田倉庫が拠点とする天王洲アイルエリアを、アートの力で独特の雰囲気、文化を感じる街に変身させた。2018年、日本の法人格としては初となるモンブラン国際文化賞の受賞を果たす。

 

 

2015年12月、台湾の文化部国際政策諮問委員となる。
2019年6月寺田倉庫を退社。2019年8月、地域や国境を越えた信頼感の醸成をはかり、東方文化を極めたいという飛躍したビジョンを持つ東方文化支援財団を設立し、代表理事に。現在に至る。

 

本書の要点

 

  • 要点1:自分の将来をつくるのは、今日の自分だ。すべては因果応報である。だから、今日の自分を妨げるものをぜんぶ捨てて、身軽に歩いていこう。
  • 要点2:モノを所有することは、不安を増やすことになる。モノを持たなければどこでも新しい生活を始められるし、それは人生の選択肢を広げることにもつながる。
  • 要点3:本当に残るのは、「形にならない思い」である。叱ったり指摘したりするときに「思い」も一緒に伝えなければ、相手の心には残らない。その形なきものをどれだけ残せるか。それが人としての力量である。

 

本書の要約

 

大切なのは、今日を生きること

今日がすべて

 

何より伝えたい言葉は「今日がすべて」である。

 

情報が多く、将来のことも、周りの人のことも気になる時代において、「今に集中する」ことは難しい。

 

しかし、過去にとらわれず、未来に揺さぶられずに、夢中になって楽しむことができるのは、今このときだけだ。その結果は、後にいろいろな形となって巡ってくる。

 

それに、全ては因果応報であり、自分の将来をつくるのは今日の自分である。だから、その自分を妨げるものはぜんぶ捨てて、軽やかに歩いていこう。

 

また、今日できることは、今すぐやることも大切だ。

 

著者は、朝目覚めるとすぐにスタッフに電話で指示を出す。

 

最初の電話から2時間ほど経つと、今度は進捗状況の確認である。

 

次に、お昼ごろに連絡をする。せっかちだと感じる人もいるかもしれないが、自分ではそう思わない。

 

もしかしたら、明日死ぬかもしれないからだ。「明日がある」という希望は持つにせよ、明日が絶対に来ると信じてはいけない。

 

だから、今日できることは、今すぐやる。「何からやればいいのか」と悩まずに、思いついた順になんでもすぐやる。そうすれば、後悔することはない。

 

何も考えずに思い切ればいい

 

野球の試合で、ウェイティングサークルからバッターボックスに行くまでの間に不安を背負ったように見える選手は、絶対にヒットが打てない。

 

あれこれ考えず、無心になって思い切りバットを振る。

 

ヒットの確率は、3回に1度程度だ。

 

仕事や日常生活の多くは、打席のタイミングを自分で決めなくてはならない。

 

「まだ早すぎる。準備ができていない」と言ってためらっていても、「準備万端の日」は一生やって来ないものだ。

 

何よりも大事にすべきなのは、自分に嘘をつかないことである。

 

「できることを精一杯やってきたか?」と自分に問いかけ、そこに嘘がなければ思い切ってやる。そこで失敗したとしても、また打席はやってくる。

本の要約サイトフライヤーから引用