著者
中野巧(なかの こう)
共感を科学する「エンパシーデザイン・ラボ」主宰。
株式会社studio-K 代表取締役。
ビジネスにおいて「共感力」を磨くことが、文章力、マーケティング力、コミュニケーション力、企画力など、プロフェッショナルの仕事力を高めるという考えから、「共感」と「再現性」をテーマにした文章作成法「エンパシーライティング」を開発。
ビジネスパーソンだけではなく、教育業界にも広く普及し、これまで5万人以上にエンパシーライティングを伝えてきた。
大学の建築学科を卒業後、積水ハウスで住宅の設計をしていたが、将来の独立には営業力が必須だと感じ、26歳でゼロからフルコミッション営業の世界に飛び込む。
そこで従来型の売り込む営業をするが結果を出せず、“半年間の給料が25万円”のどん底営業マンとなり、あっという間に職を失う。
その後、業界最大手の通信会社の営業職に就いたのをきっかけに、顧客とは「共感によってやさしいつながりが生まれる」と気づく。それまでの売り込み営業を辞め、顧客に共感しながら、必要な情報をわかりやすく伝えることを徹底し、3か月後からは全国トップの営業成績を取り続けるようになる。
30歳を目前にウェブマーケティングの仕事で独立。
その後、仕事の効率化のため、10年書き続けてきた独自の文章メソッドを1枚のチャートに結晶化し、エンパシーライティング・メソッドを開発。
エンパシーライティング講座は、即効性とわかりやすさに定評があり、毎回すぐに完売となり、キャンセル待ちが続く人気講座となっている。
この日本発の共感メソッドが海を越え、世界に広まることで、世界に共感があふれ、共感によってつながる、やさしい世界に貢献できると確信している。
著書に『売れる文章術』(フォレスト出版)、『6分間文章術』(ダイヤモンド社)がある。
公式サイト https://empathywriting.com
本書の要点
- 要点1:文章スキルは、コツさえつかめば誰でも確実に上手くなるが、同時に速く書くことも求められる。
- 要点2:SNS投稿の書き方には、「キャラ展開型」や「共感ストーリー型」などの5つの文章パターンがある。5つの質問に対する回答を並び替えるだけで、5パターンの文章ができあがる。
- 要点3:手っ取り早く文章をアップデートするためには、主語を「あなた」にする、「?」を乱用しない、1文を50文字以内にまとめる、の3つが効果的だ。
- 要点4:共感される文章は人を動かす。読み手の気持ちに寄り添う文章を書くには、「エンパシーチャート」が役立つ。
本書の要約
文章スキルは武器になる
文章を書くことからはもはや逃げられない
あなたにとって、文章スキルにはどれほどの重要性があるだろうか。
ひと昔前であれば、文章を書くのが苦手なら避けて通ることもできただろう。
しかし、SNSやインターネットが私たちの日常に溶け込み、誰もが情報発信できる現代においては、そうもいかない。
もはや文章スキルは、誰にとっても重要な必須スキルとなっている。
文章スキルを身につけると、文章で人を動かせるようになる。
商品・サービスの価値を的確に相手に伝えることができ、成績や売上アップにつながる。
さらには、伝え方が悪いために起こるコミュニケーションコストを削減できるとともに、文章を書くことや伝えることへのストレスがなくなる。
文章スキルはさまざまな場面で役立つ武器となり、あなたの未来の選択肢を広げてくれるのだ。
文章スキルの肝は「上手く書く」と「速く書く」
文章の重要性はわかっていても、思うように書けないもどかしさを感じている人もいるだろう。
だが安心してほしい。文章は、コツさえつかめば誰でも確実に上手くなるからだ。
ただし、いくら文章が上手く書けるようになったとしても、それだけでは時代が求める文章スキルとしては不十分だ。
必要なのは、上手い文章を「速く書ける」こと。
スピードがともなわなければ、あなたの価値を高める文章スキルとはいえない。
本書で公開されているノウハウはすべて、スピードアップの観点から工夫がなされている。
その内容は、SNSで役立つスキル、ブログ・メルマガで役立つスキル、そしてランディングページで役立つスキルだ。
いずれにおいても、「上手く書く」と「速く書く」が両立できるようになっている。
今から実践できる文章のアップデート法
読みやすい文章を書くための3つのコツ
手っ取り早く文章をアップデートするためのコツとして、本書では5つのコツが紹介される。
要約では、そのうちの3つを紹介しよう。
まず、主語を「あなた」にすることだ。自分視点ばかりの文章は、書き手が有名人やアイドルでもない限り読んでもらえない。
大切なのは「読み手視点」の文章になっていることだ。
次に、「?」を乱用しないことだ。「?」を使うと楽に書けるが、乱用は禁物である。
読み手に尋問されているような不快感を与えてしまうからだ。
最後に、1文は50文字以内にまとめることだ。
1文が長いと、読み手を疲れさせてしまう。
「1文=1メッセージ(1文1意)」を基本としてコンパクトにまとめよう。
文章に効く2つの心理効果
心理効果を利用して、文章をブラッシュアップするのもおすすめだ。
本書では5つの心理効果が紹介されるが、要約ではそのうち2つを紹介する。
まず、最初の印象が後に大きく影響する「プライマシー効果(初頭効果)」だ。
ブログやメルマガのタイトル(件名)で読み手の興味を引くことができれば、最後まで読んでもらいやすくなる。
次に、「リーセンシー効果(最新効果/親近効果)」だ。
これは、人は最新情報(最後に触れた情報)に影響されやすいことをいう。
リーセンシー効果は、プライマシー効果と組み合わせるとより効果的だ。
冒頭で結論を簡潔に述べて、ブログの最後に読み手の行動につながる一言を
持ってくれば、格段に伝わる文章になる。
本の要約サイトフライヤーから引用