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原子力規制委員会の更田豊志(ふけた・とよし)委員長は22日の定例会見で、韓国のハンビッ原発1号機で熱出力が制限値を超えて急上昇したのに、運営会社が長時間停止させなかった問題について「(報道が事実であれば)日本では考えにくい。安全文化に関わる問題だ」と語った。正確な情報把握のため、韓国側の原子力規制当局に照会していることも明かした。
韓国メディアによると、同原発1号機で10日に制御棒の能力測定試験中、原子炉の熱出力が運営指針にある制限値の5%を超え、約18%まで急上昇する異常事態が発生。しかし、運営会社の韓国水力原子力は制限値を超えた際の即時停止を定めた運営指針に反し、約11時間半にわたって運転を継続した。
更田委員長は現時点で接している情報は報道ベースであることを断った上で、「出力自体は通常運転時よりも低い状態なので、燃料や炉心に与える影響は非常に小さい」と推測。だが、必要な免許を持たない職員が制御棒を操作したとする報道もあり、「違反としては非常に重大なもの」と危険性を指摘した。
また、日本ではチームで原子炉の運転に当たり、夜間帯でも当直長らが監視していることなどから、「異常な制御棒の引き抜きがあった後、(そのままの状態で)長時間が経過したとの話は、およそ国内では考えにくい」と語った。
今回のトラブルのように制御棒の異常な引き抜きを原因とした原子炉の出力暴走は「反応度事故」と呼ばれ、「その代表例は(旧ソ連ウクライナで1986年に起きた)チェルノブイリ事故」と説明した。
引用:原子力規制委員長「日本では考えにくい」 韓国原発の出力急上昇トラブルで
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