ポルシェジャパンが２８日に発表した新型「ポルシェ９１１」＝２８日、東京都渋谷区

　ポルシェジャパン（東京）は２８日、主力モデル「９１１カレラ」の新型を国内初公開した。平成２３年のフルモデルチェンジ以来となる８代目で、伝統的なデザインと、最新技術を両立。路面のぬれ具合を音から検知してハンドリングなどを微調整する安全機能「ウェットモード」を世界で初めて標準装備した。７月５日に発売する。

　外装では全モデルで車幅を広げて存在感を高めたほか、後輪の左右間隔を拡大し安定性を向上させた。内装では、ダッシュボードを約５０年前の初期型をモチーフとしたデザインに。表示計器はタコメーター以外はデジタル化し、モニターはタッチパネルで操作する。

　車体はアルミを多用して約５％軽量化した一方、剛性は向上。エンジン出力をアップさせたほか８速として、走行性能を高めた。

　衝突防止ブレーキや車間コントロール、車線逸脱防止などの運転支援機能も充実させた。価格は１６６６万円から。

　都内での発表会で山崎香織執行役員は「９１１は時代を超えて進化し続けるスポーツカーの象徴。これまでの思想を守りつつ先進性を取り入れた」と語った。

　またポルシェジャパンは同日、１０～１１月の東京モーターショーへの出展を１０年ぶりに取りやめると明らかにした。代わりに１１月に東京・渋谷で若い世代を対象にした独自イベントを行う。人気の高いポルシェの出展取りやめは、日本自動車工業会などの主催者側にとって痛手となりそうだ。